VPNとは?なぜ必要なのか?(初心者向けガイド) - Techshielder

VPNとは?なぜ必要なのか?(初心者向けガイド)

現在、世界にある全てのコンピューターは、広大なネットワークに接続されています。インターネットが誕生した当初は、国際的な規模でデータを共有するという発想に興奮し、セキュリティに関する潜在的な問題はまるでないかのように思われました。しかし、21世紀の現在は、通信性よりもオンライン上におけるセキュリティの重要性を認識し、その一端をVPNが担っているといえるでしょう。こちらの記事では、VPNとはどういったものか、どのように動作するのかなど、VPNが創り出す世界を紹介します。

VPNとは?

VPNとは、「Virtual Private Network(仮想プライベートネットワーク)」の略称で、ユーザーがプライバシーとセキュリティが強化された状態でインターネットを使用できる技術です。VPNサービスは、タブレット、スマートフォン、スマートテレビ、IoTデバイス、ワイヤレスルーターなど、あらゆるデバイスで利用可能です。

どんな人でも一度は道を歩いている時に、誰かに見られているような気がしたり、監視されているかのような感覚を味わった経験があるでしょう。これはオンライン上でも同様で、NSAやハッカー、ISPや企業などの団体が、オンラインサービスを利用しているユーザーの個人情報を採取して、監視やデータ分析を行っていることが明らかになっています。以上のことから現代において、インターネット上でのプライバシーと安全性を確保することは、最も重要な課題といえるでしょう。

VPNサービスは、いかなるウェブサイトやオンラインサービスからも追跡されません。これはオンライン上にいるユーザーの大半が通る道を通らずに済むトンネルのような抜け道として機能しているということです。VPNは、個人のデータを暗号化することに加えて、実際のIPアドレスを表示させないようにし、デバイスに別のIPアドレスを割り当てます。これは、VPNで保護されたネットワークやデバイスから送信されたデータパケットに支障をきたしたとしても、データの読み込みが目的の場合は問題ないことを意味します。VPNによって保護されたデバイスは匿名性が高く、ひと昔前の公衆電話のように通話中の送信元を追跡することができません。たとえ、VPNで保護されたデバイスからデータが傍受されたとしても、そのデータ自体は事実上、解読不能なものなので何の役にも立たず、ハッカーは機密情報にアクセスできないので、ユーザーの個人情報は保護されます。

しかしながら、VPNはオンライン上の保護とプライバシーを確実に保証するものではないということに留意しておきましょう。どんなテクノロジーがそうであるように、VPNにも欠点や抜け穴があります。この記事の後半部分では、短所だけにとどまらず、しっかりと保護するための心得についても紹介します。

VPNはどのように機能するのか?

VPNといっても様々な種類がありますが、ほとんどの場合は、以下のような共通した機能を兼ね備えています。

  1. VPNのソフトを起動すると、遠隔のVPNサーバーに送信する前にアプリはユーザーのデータをスクランブルすることによって、ユーザーのデバイスとインターネットとの間に直接接続がないということになります。VPNは、ISPでさえもアクセスする前にユーザーのデータを暗号化します。
  2. VPNで遠くにあるサーバーに接続後、ユーザーのデバイスにはVPNサーバーが所有する別なIPアドレスが割り当てられます。これにより、本来のVPNサーバーに接続されたデバイスの接続が隠され、あたかも新しいIPアドレスの位置からアクセスしているかのように見せかけることができるのです。これは、尾行に気づいた刑事が、着ている服を変えたり、あえて意図しない場所に行くことで、加害者を欺こうとするのとよく似ています。

インターネット上におけるプライバシーとセキュリティを守るために、なぜこのような回り道が必要なのでしょうか?それを理解するためには、通常インターネットがどのように機能しているかを知る必要があります。これについては、次のセクションで深堀していきましょう。

VPNは何を隠すのか?

有名なインターネットプロトコルを使用して送信されたデータは、技術的な知識がある人であれば、誰でも入手可能です。例えば、南アフリカのインターネットユーザーがノルウェーの大学のサーバーに接続する場合、2つの場所に直接の接続はありませんが、その間にある様々な相互接続されたデバイスによって、接続可能になります。全てのネットワークの接続点(またはデバイス)では、データは暗号化されずに2つの場所の間を飛ばなければならず、物理的または遠隔でアクセスできる人は利用できます。現在では、もし確立された接続経路が何らかの形で中断された場合や、リンクに脆弱性の問題があったとしても、データパケットは自動的に次に利用可能なリンクを経由して接続されます。

インターネットプロトコルは、これまでいくつかの修正や変更はあったものの、今日まで使用されてきました。しかしながら、データ接続する際の背後にある技術の内容は変わりません。これはつまり、インターネット上に存在するほぼ全てのウェブサイトがユーザーの個人情報を収集するために、ユーザーのデータは安全とはいえないネットワークチャンネルで繰り返し共有されていることを意味します。銀行をはじめとする本当に信頼できる団体は、顧客のセキュリティを優先し、ウェブサイト上でユーザーを保護します。しかし、このような保護されたネットワークの外では、ユーザーのデータは全て解放されているということになります。

したがって、VPNに接続せずにインターネットを閲覧することは、20世紀の電話機で電話をかけるようなもので、電話回線を盗聴できるアクセス権を持っている人であれば、誰でも簡単に会話を聞くことができてしまいます。VPNを電話機に例えるならば、軍用の無線電話の暗号化やセキュリティということになります。

現在、VPNが注目されている理由

  • インターネット上でVPNを経由してデータを送信すると、データが暗号化されるため、ハッカーたちがアクセスできなくなります。
  • VPNを経由することによって間接的にインターネットへ接続され、ユーザーのデバイスはあたかもVPNサーバーのある場所のIPアドレスかのように見えるので、全てのデータがそのサーバーから来ているかのように見えます。その結果、位置情報、個人情報、閲覧情報の安全性を保つことに繋がります。

VPNを使用するメリット

現在、オンラインセキュリティやプライバシーの侵害等の報告は日々増加しており、その中には合法的なものもあれば、そうでないものもたくさんあります。中には、大企業のデータベースが侵害されたり、オンライン上の基盤がハッキングされるケースもあります。こういった脆弱性や攻撃を阻止するために、個人や組織単位でセキュリティ関連予算にVPNサービスを導入し始めています。

そこで今回は、インターネットを利用する際にVPNに接続することで得られる様々なメリットを紹介します。

1. 安全性の高い機密データの転送を可能にする

データの遠隔転送は、VPNが普及した主な機能の1つといえます。特に遠隔地など社外から自社の独自サーバーにあるファイルやリソースにアクセスする必要がある企業は、社員など関係者をプライベートネットワークに追加します。加えて、この接続を介して送信されるファイルは暗号化されるので、安全性は確保されています。

最近では、VPNサービスプロバイダーから専用のP2Pサーバーが提供されているので、機密データを損なうことなく、大容量の文書等を安全に共有することを保証します。また、VPNを利用することで、海外から自宅のネットワークに安全に接続することが可能です。

2. オンライン上での匿名性を保証する

匿名性は、インターネットユーザーにとってVPNがどのような場合に役立つのかを示す良い例となります。VPNサービスを経由してインターネットに接続することで、オンライン上にいる犯罪者や一般人には、あなたの本来のIPアドレスとは異なるIPアドレスが表示されます。VPNサーバーは、接続する全てのデバイスに異なるIPアドレスを割り当てるため、ウェブサイトは、ユーザーのデバイスから送信されたデータパケットがVPNサーバーからのものだと見なすようになるのです。

もし、自分のIPアドレスと居場所を保護したい場合はVPNを利用しましょう。デバイスのIPアドレスを使用することで、なぜ居場所が特定されるのか不思議に思うかもしれませんが、その仕組みは以下の通りです。

IPアドレスの一意性や電話やルーターの「位置情報」設定を自動的にオンにするいくつかのサービスは、位置情報を教えてしまう可能性が高いです。たとえ、リアルタイムではないかもしれませんが、VPNに接続しないでインターネットを閲覧すると、頻繁に見るサイトの至る所にデジタルフットプリントと呼ばれる記録が残ってしまう場合があります。

しかしながら、原因は様々ですがVPNの使用に関わらず、ユーザーの個人情報が漏れてしまう可能性があることに対して注意する必要があります。これについては、この記事のVPN機能の項目で掘り下げていきます。

3. 地域的な制限の撤廃

近年、帯域幅を大量に消費する動画視聴やゲームによって、高速なインターネットへの需要が高まっています。しかし、これらのサービスの多くには、地域的な制限があるのが悩みの種でもあります。例えば、Netflixは、地域によってライセンスが違うので、地域ごとに異なるコンテンツを提供しており、アメリカなど一部の地域では、より豊富なコンテンツが提供されています。VPNを利用することでその国のIPアドレスを取得することが可能になり、外部からはあたかもその国から閲覧しているかのように表示されるため、このような制限を回避することができます。

Netflixの動画配信における規制と同様に、Minecraftのような人気オンラインゲームのファン達も、いくつかの地域によっては最新版の発売の遅れを経験しています。これは映画が映画館で公開されてから配信サービスで視聴できるようになるまでと同じように、マーケティング戦略による場合があります。VPNを利用することは、このようなゲームの制限を回避するのにも役立ちます。

4. 速度制限の回避に役立つ

いくつかのISPによっては、利益を最大限得るための戦略として、ユーザーに対して速度制限を設けています。また、地方自治体がISPに対して、ユーザーの速度制限やアクセス可能なコンテンツを強制的に制限している場合もあります。

国民がインターネット上で政府に対しての大規模な政治的な活動をしているいくつかの国では、地元のモバイルネットワークやデータプロバイダーがインターネット接続速度を制限しています。

VPNサービスを利用すると、遠隔地に設置されたサーバーを経由してインターネットに接続し、速度制限の対象のデバイスの層からうまく切り離すことができます。

5. プライベートと公共のネットワーク両方でセキュリティを強化

VPNは、インターネットに接続されたデバイスのセキュリティとプライバシーのための唯一の手段ではありませんが、ウイルス対策アプリやファイアウォールなどの防止対策と相乗的に使用することで、最高級のセキュリティとプライバシーを実現できる可能性があります。公共の無線LANにはセキュリティ上の問題があるため、インターネットユーザーはこれまで接続することを避けてきました。しかし、デバイスにVPNをインストールすれば、VPNサービス経由で送信されるデータは全て暗号化されるので、公共ネットワークの脆弱性に対する心配はなくなります。よって、詐欺師やスパム送信者、ハッカーなどがVPNで保護されたデバイスやネットワークに侵入することは難しいでしょう。

上記で紹介したVPNを利用するメリットの他にも、各プロバイダーにはそれぞれ特定のメリットがあります。VPNユーザーは、こうした様々なメリットを兼ね備えたプロバイダーを探して契約します。以下でその一部を紹介します。

1. 256ビットAES暗号化
これは一般ユーザーが利用可能なデータの暗号化の中で最も高いレベルといえます。ハッカーにとってこれは本当に厄介で、攻撃するための弱点をそう簡単には見つけ出すことはできないでしょう。この暗号化規格は、軍事用や政府機関でも使用されています。トップレベルのVPNは、セキュリティとプライバシーに関してユーザーに何も心配させないためにAES256暗号化を兼ね備えています。

2. 複数のサーバーとIPアドレス
ほとんどのVPNサービスは、接続するVPNサーバーを複数から選択可能な機能を提供しています。物理的な距離が近いサーバーは、接続と配信速度の消費が少ないです。また、VPNサーバーの中には、「IPシャッフル」と呼ばれる機能を備えているものもあります。IPシャッフルは、ユーザーが1つのVPNサーバー上で複数のIPアドレス間をシャッフルし、これにより、インターネット版”Now you see me, now you don’t”を事実上、作り出すことができます。

3. ノーログポリシー
VPNサービスの中には、ユーザーのデータ履歴を記録し、そのデータを高値で売却する代わりに、無料でサービスを提供するものがあります。しかし、トップレベルのVPNサービスはそのようなことはなく、ユーザーが訪問したサイト、ISP、あるいは政府などからの個人情報の漏洩からユーザーを守るためにノーログポリシーを採用しています。

4. DNS漏洩からの保護
VPNへの接続が有効な場合、データパケットは暗号化されて保護されています。しかし、VPN接続に不具合が生じてしまうと、VPNが自動的に再接続するまでの間、ユーザーの個人情報は公開されてしまうことになります。「キルスイッチ」と呼ばれる機能を備えているVPNは、何らかのアクシデントでVPNサービスが停止した際に自動的にインターネット接続を切断するので安全です。

VPNを使用する際のデメリット

これまで世の中で開発された全てのテクノロジーと同様に、一部のVPNにもいくつか注目すべきマイナスポイントがあるので紹介します。

接続速度の低下
データを暗号化することによって、VPNサービスを介して送信されるデータの接続速度に遅延が生じることがよくあります。また、物理的に遠い場所にあるVPNサーバーに接続すると接続速度が低下する場合があります。

国によっては違法になる
VPNを利用することを制限している国もありますが、VPNの利用を全面的に禁止している国もあります。海外に行く際は、VPNの利用が原因で「痛い目にあった」ということがないように、渡航先でVPNが利用可能かどうかを事前に確認しておきましょう。

古いテクノロジーとの互換性に欠ける
サーバーやルーターのOSやファームウェアが古い場合、VPNアプリをインストールできない可能性が高くなります。また、インストールに成功しても、古いソフトウェアのパッチが原因で接続に不具合が生じる場合があります。

費用がかかる
市場に出ている中でも最高級のVPNサービスを利用するには無料ではなく、どうしても使用料がかかります。多くの無料版のVPNサービスにおけるサービスの質に関しては疑問符がつきます。

VPNが備えるべき主な機能

VPNサービスのオプションから選択する際に、ユーザーに優しく、安全で便利な体験を実現するために必要な機能一覧は以下の通りです。以下に紹介する機能のほとんど、または全てを備えているVPNサービスは、VPN市場の覇者といえるでしょう。

1. 高速接続

しばしば速度とセキュリティのどちらか一つを選択しなければならないことがよくあります。超高速な接続を希望するならば、セキュリティを妥協しなければならないし、厳重なセキュリティを望むならば、速度の低下を受け入れなければなりません。しかしながら、業界トップレベルのVPNサービスは、その両方を実現しなければなりません。ユーザーは優れたVPNを利用することで、もうどちらかを犠牲にする必要はないのです。広範囲にサーバーを保持しているVPNは、通常、十分なセキュリティレベルを維持しながら、より高速な速度を提供することができます。

2. 平均値以上のデータ暗号化

VPNサービスによるデータ暗号化は、決して欠かすことのできない必要不可欠な特性です。データを暗号化しないVPNを使用することは、VPNに接続しないのと同じことを意味します。ハッカーやスパムメールの送信者、ISPは、ユーザーのネットワークやデバイスから送信されるデータに対して、平気で攻撃してくるでしょう。

AES暗号化は、公私問わず様々な信頼性の高い組織から後援を受けるなど優れているため、AES暗号化を備えたVPNサービスは安心感があるといえるでしょう。AES暗号化を信頼している企業としては、マイクロソフトやNSA、アップルなどがあります。この素晴らしいステータスは、AES-128やAES-256のテクノロジーが今日に至るまで「解読不可能」なものとして認識されていることによって実現されています。

3. 信頼性の高いVPNプロトコル

VPNサービスのプロバイダーがユーザー向けに提供できる安全性の高いVPNプロトコルはいくつかあります。しかしながら、サーバーに接続する前にVPNプロトコル一覧から選択可能なのは、最良の方法といえるでしょう。

VPNサービスプロバイダーの中でもSSTP、OpenVPN、SoftEther、IKEv2/IPSecプロトコルのいずれか、もしくは全てをサポートしているプロバイダーは、とても信頼性が高いといえるでしょう。

4. キルスイッチ

これは非常に稀なケースではありますが、VPNサーバーへの接続が中断され、実際のIPアドレスや閲覧データがオンライン上に公開されてしまう場合があります。デバイスとVPNサーバーの物理的な距離によって、このような接続障害が発生し、接続が途切れてしまうことがあります。

キルスイッチは、このようなVPN接続が中断された際の脆弱性を取り除きます。キルスイッチは、VPNサーバーとの接続が切れると同時に、該当するデバイスのインターネット接続を自動的に終了させ、インターネット上にデータが流出することを防ぎます。

5. アプリキラー

VPNアプリキラーは、一見、キルスイッチのように思えますが、より特別な機能を兼ね備えています。キルスイッチと比較すると、VPN接続が切れた際に無効にするソフトを選択することができます。

例えば、VPNをPCでのオンラインゲームにのみ使用しており、地域的に制限されたIPアドレスがばれてしまうたびに失格や切断された場合の簡単な解決策は、アプリキラー機能の設定で、該当するゲームのアプリを選択することです。VPNサーバーへの接続が切れるたびに、アプリキラーはゲームのアプリと事前に選択したその他のアプリを分けて自動的に閉じ、他のアプリはインターネット接続が有効のままにできます。

もし、キルスイッチとアプリキラー機能を同時に提供するVPNサービスの場合は、一度試してみましょう。

6. 一つの契約で全てを網羅

VPNサービスプロバイダーには、個々のデバイス専用の契約、ルーターには大型契約を許可しているところがあります。しかし、顧客を大切にしているいくつかのサービスプロバイダーでは、一つのVPNアカウントで複数のデバイスを保護することができるものもあります。

VPNユーザーは、このような便利な契約プランに惹き寄せられる傾向があります。しっかりとしたVPNサービスであれば、デバイスは最大5台まで同時接続することが可能なはずです。

7. 専用サーバーと適用範囲が広いサーバー

100台以上のサーバーからなる広域ネットワークがあれば、質の高いVPNサービスとしては十分といえます。しかし、1000台を超えるサーバー(仮想サーバーと物理的なサーバーの両方)を持つプロバイダーは、接続リンクの利点を生かして、より良い結果をもたらす可能性があります。

また、信頼性の高いVPNサービスでは、トレント、動画配信、P2P大量ファイル共有などの広帯域幅通信の専用サーバーを備えています。この機能により、他のサーバーは通常の通信サービスの混雑を緩和することができます。

8. 複数のテクノロジープラットフォームとの互換性

VPNサービスを契約する前にこの機能をチェックしておくと安心です。21世紀におけるインターネットユーザーは、スマートフォン、PC、タブレット、スマートテレビ、IoTデバイスなど様々なテクノロジーを1つ、または複数組み合わせることでオンラインリソースにアクセスしているのが良い例です。なので、複数のデバイスをサポートするユーザー単体向けのアカウントの提供だけでは十分ではなく、VPNのソフトも様々なデバイスに対応している必要があります。まれにサービスプロバイダーが複数のデバイスで対応可能と宣伝しているVPNの契約プランでも、保護する予定の5種類のデバイスのうち2つにしかVPNソフトが正常にインストールされないということもあるので注意しましょう。

9. DNS漏洩の可能性からの保護

DNSとはDomain Name Systemの略で、ウェブサイトが相互に照会される際にURLをIPアドレスに変換し、エンドユーザーのデバイスがデータや特定のコンテンツを閲覧する許可の要求を可能にするシステムのことを指します。

DNS漏洩に対する保護がないVPNは、DNSクエリ回避の影響を受けやすく、この場合、デバイスはISPに直接DNSクエリを送信します。これはデバイスがVPNサーバーを回避して、インターネットまたはISPと直接通信することを意味します。そのため、DNS漏洩防止機能を持つVPNに注目することで、IPアドレスやIDの漏洩を防ぐことができるでしょう。

最適なVPNを選ぶ方法 – 初心者向けのポイント

VPNを初めて利用する方向けに最適なサービスプロバイダーと巡り合うために考慮すべきいくつかのポイントを紹介します。

1. 必要な機能を見極める

VPNには様々な機能があるため、事前にVPNを使用する目的を決め、その分野で最も信頼性の高いVPNサービスプロバイダーを決定することをおすすめします。

2. プロバイダーの品質の強さをチェックする

VPNサービスを提供しているプロバイダーの中で評判の良いところは、サーバーの広大なグローバルネットワーク、いくつかの強力なAES暗号化とVPNプロトコル、キルスイッチまたは動画の配信速度など、プロモーションの際に強力なセールスポイントがあります。

これらたくさんのセールスポイントがありますが、一番重要なのは加入を検討している方が求めている機能と一致していることです。

3. 希望する場所にサーバーがあること

たとえプロバイダーが1000台以上のグローバルサーバーを保有していても、お好みの場所にサーバーがなければ、あまり意味がありません。したがって、特定のサービスプロバイダーのVPNサーバーの位置を確認し、自分の好みの場所をカバーしているかどうかを確認することが最善の策といえるでしょう。

4. デバイスの互換性は重要

VPNサービスを利用することで保護したいデバイスに加えて、将来的に保護したい他のデバイスも考慮しておくことが賢明です。そのため、可能な限り多くの異なるデバイスに対応しているVPNを選びましょう。

5. ユーザーにとって接続方法が簡単

自分に合う使いやすいVPNを探すことは、ユーザーが技術的な経験を持っている場合を除き、一般的なPCユーザーにとっては非常に多くの労力がかかります。そんな中、VPNのセットアップや初期設定に必要な手順を説明してくれるVPNは、初心者の方も安心して利用できるといえるでしょう。

6. 24時間体制のカスタマーサポート

テクノロジーに精通した専門家でも、問題解決のためにリモートでのサポートが必要になる場合があります。カスタマーサポートが24時間365日受けられるVPNは、初心者にとって安心材料といえます。例えば、真夜中にVPNのカスタマーケアエージェントと連絡が取れないために、午前中に提出予定の仕事を進められないのは非常にもどかしいはずです。

7. 便利な課金プラン

もしも、機能が全く同じ、またはそれに近い2つのVPNを検討した場合、安い方を選ぶのが賢明でしょう。また、Paypal、ビットコイン、クレジットカードなどが決済システムで使用できるか、返金保証があるかどうかは、検討すべき材料といえます。

簡単ガイド:初心者向け5つの最適なVPN

インターネットの様々な技術、中でもVPNに関しては頭が痛く、大変な作業になるでしょう。そんな中、初心者に最適なVPNは、ユーザーに優しいものの1つといえます。様々なプラットフォームでいくつかのVPNを検証してみた結果、以下に最適といえるものを順番にまとめました。

1. ExpressVPN
ExpressVPNはVPN業界で最高級のVPNです。他の競合他社が提供するメリットはもちろんのこと、最高の速度を提供し、堅実なノーログポリシーを誇っています。

2. NordVPN
NordVPNはパナマに拠点があるので、データの履歴や政府への引き渡しに関して心配する必要はありません。サーバー数は業界でも最も多いものの1つということもあり、圧倒的な信頼があります。

3. Surfshark
もしも、快適に動画配信やトレントサービスを楽しみたい場合、Surfsharkは最適といえるでしょう。安価であることに加えて、一つの契約で接続可能なデバイスの数が無制限なのです。

4. CyberGhost
CyberGhostは、MacユーザーにとってAppleのコンピューターに最も適したVPNとして好意的にとらえられています。価格面ではSurfsharkほど安くはありませんが、256暗号化、一流のカスタマーサポート、および強気の割引は、一度試してみる価値があります。

5. PrivateVPN
CyberGhostのWindows版で、動画の高速配信サービスを提供するとともに堅固な暗号化を提供しています。同社はユーザーのデータを保存しないと謳っていますが、デンバー州の法律について少し調べれば、再考するかもしれません。

無料版 or 有料VPN

2016年から2018年にかけて、多くのインターネットユーザーがVPNに注目し始めました。これはISPがユーザーの個人情報にアクセスすることを許可する法律が話題になったことにより、それ以前までVPNは、単にネットワークマニアやちょっと変わった人たちが使っていたに過ぎませんでした。

しかしその後、必要性に応じて、いくつかのVPNが無料版のサービスを開始するようになりました。これらのサービスは正真正銘、無料ではありますが、それにはどのような条件が付いているでしょうか?

無料版と有料版のVPNサービスには、いくつかの違いがあります。

価格面
VPNが提供する最適な機能がセールスポイントであることは既に述べました。無料版VPNの場合、最大のセールスポイントは価格面といえます。しかし、無料版VPNサービスは、常に犯罪に巻き込まれる可能性があります。そして、サービスの質に関しても低く、利用する価値があるかどうかは悩ましい限りです。

ユーザーの保護
もし、何らかの理由で無料版VPNを使用しなければいけない場合は、有料版VPNプランを無料で使用できるお試し期間を使用すると良いでしょう。これによって少なくとも有料版で使用できる機能を知ることができ、有料版VPNサービスのセキュリティを使用することができます。

サービスの質
無料版VPNのプロバイダーは、サーバーやライセンスにかかる費用の請求に対応するために、ユーザーの閲覧履歴やログイン情報を広告やオンラインマーケティング関連会社に頻繁に販売しています。場合によっては、無料版のVPNサービスには、広告や迷惑なポップアップの文字列が定期的に出てきます。

もし、VPNの有料版を購入する余裕があるのであれば、それに勝るものはありません。ほとんどの有料版サービスプロバイダーには、お財布に優しい返金保証の契約プランがあるのも安心材料の一つでしょう。

また、無料版VPNの中でもProtonVPNやHotspot Shield、Urban VPNなどの信頼できるサービスもあります。ほぼ全ての無料版VPNサービスは、少なくとも128ビットAES暗号化を提供していますが、サーバーへのアクセスや許容されるデータ使用量などの機能を制限しています。

様々なデバイスでVPNをセットアップする際の手順

VPNプロバイダーは、多くのユーザーにとって利便性が最優先事項であることを認識し始めた結果、ほとんどのVPNはその要望を満たそうとサービスを適応させています。ここではスマートフォンやルーター、スマートテレビ、PCなど、いくつかの一般的なデバイスでVPNを実行するための簡単な手順を説明します。

ただし、VPNやデバイスのOSによっては、手順が若干異なる場合があります。多くのVPNでは、公式サイト内でアプリのインストールに関する詳細な手順を提供しているので確認してみましょう。

スマートフォンへのインストール方法

  • 1. Android端末はGoogle PlayStore、iOS端末はApp Storeにアクセスします。
  • 2. 検討した結果、選んだ特定のVPNアプリを検索し、ダウンロードします。
  • 3. ダウンロードしたアプリを有効化後にログインし、サーバーの場所を選んで接続します。いくつかのアプリでは、特にサーバーの場所にこだわりがない場合は、接続に最適なサイトを自動的に選択するものもあります。

4. これで完了です。VPNが提供するあらゆる機能を楽しむことができます。

ルーターへのインストール方法

自宅のネットワークに接続する全てのデバイスにVPNアプリをインストールするのはとても労力がかかります。まずは自宅のネットワークの入口でもあるルーターにVPNをインストールすることで手間が省けるでしょう。以下でインストール作業の手順を紹介します。

  • 1. 信頼性が高いVPNを検索して選び、そのルーターのファームウェアをダウンロードします。
  • 2. 新しい、もしくは古いルーターをPCに接続します。
  • 3. コンピューター上で表示される手順に沿って進んでいきます。
  • 4. ユーザー名とパスワードを作成します。なお、デフォルトのログイン情報は絶対に使用しないようにしましょう。
  • 5. ルーターに接続する際の「ファームウェアのアップグレード」という表示をクリックし、過去にダウンロードしたVPNファームウェアを選択します。
  • 6. 契約料の支払い後に提供された認証コードを入力し、有効化します。

パソコンへのインストール方法

  • 1. VPNの設定ファイルをダウンロードし、インストールします。
  • 2. インストールしたアプリを起動し、利用可能なサーバーに接続します。
  • 3. これで完了です。

スマートテレビへのインストール方法

スマートテレビはファームウェアに対応していないため、インターネットに接続可能なテレビを保護する最善策は、既にVPNがインストールされたルーターに接続するか、VPN保護機能を兼ね備えたパソコンに接続することです。

まとめ

VPNに関する知識を知れば知るほど、VPNの必要性を痛感するでしょう。しかしそれによって、簡単に信頼性の高いVPNを選べるようになります。今回は私達のお気に入りの有料版・無料版VPNをいくつか紹介しました。これらのVPNを使用することによって、オンライン上で高いセキュリティを確保しながら、自由にインターネットを楽しむことができるでしょう。